地引網のやり方
地引網のやり方は、地域によりかかる魚が違うので、多少やり方に違いはありますが、大体は同じです。地引網は、歴史が古い漁法で、300年前から日本各地の沿岸部で行われてきたと言われています。地引網を行うには、岩礁などが海底にない、浜辺の状態がよい場所が最適です。沿岸部の町にとっては、かつては日常の風景のひとつであった地引網ですが、現在は限られた場所でしか行われていません。その限られた場所でも、漁そのものよりも、観光の目玉として行われている場合が多いようです。また、漁師の方達の努力で、地引網が体験できる場所が、少しずつ増えてきています。イワシやアジ、サバなどの回遊魚をつかまえるのに適している漁法です。
地引網のやり方としては、まずは、漁船で網の両端から伸びる綱を、沖合いから引き寄せます。海岸近くまで網が引き寄せられると、次は人力で浜辺に引き上げていきます。
砂浜にみんなで力を合わせて網を引張り上げ、岸に引き上げると、魚を手づかみすることができます。その際、毒を持つゴンスイやミノカサゴやウツボなど、危険な海の生物が紛れ込んでいることがあるので、くれぐれも直に手をいれてはいけません。
現在、地引網は、漁法のひとつとしてよりも、マリンレジャーや、子ども達に自然と触れ合わせるための機会として機能していることのほうが多いようです。
地引網のやり方は、逆U字に仕掛けた地引網を左右に分かれて波打ち際まで引き上げるのですが、最低片方の網を引くのに10人は必要なので、観光地引網を行うには、最低でも20人以上必要になります。必要な経費は、地引網用の船一艘につき、大体10万円前後です。大人数で楽しむことが出来るので、体験授業として、地引網のやり方を学習に取り入れている学校も多いようです。
地引網体験で捕まえた魚は、そのまま持ち帰ることも可能ですし、その場でバーベキューとして楽しむことが出来る漁場もあるようです。
地引網を行うことができる時期は、地域差がありますが、4月頃から10月頃まで楽しむことができます。地引網に適した時間帯は午前中だといわれています。
かつて日本各地の沿岸で行われていた重要な漁法である地引網ですが、海水温度の上昇などの環境の変化や、他の漁法の発展により、衰退してきました。
せっかく復活しつつ、伝統的な地引網のやり方を、衰退させないように伝え続けるためにも、これ以上の海水温の上昇を抑える、海の汚染を防ぐための努力をするなど、地球環境を悪化させない努力が、これからもますます必要になっていくでしょう。